スタッフSELECT おすすめBOOKS

 クレオ大阪中央のスタッフが、情報・図書コーナーにある本の中から、皆さんにぜひ読んでいただきたい本を紹介します。
 エッセイや小説、自己啓発書など、さまざまな分野からピックアップ!気になる本は見つかりましたか?情報・図書コーナーでお待ちしています。

ほんのちょっと当事者
 著:青山 ゆみこ

 誰もが、程度の差はありますが、当事者だった経験がありますよね。
 ローン地獄、障がい、性暴力、介護、母との関係など。この本は、社会の事情をそんな当事者目線で考えています。

 著者が母との関係に葛藤する姿が印象的です。「母は非常に真面目で純粋な人だった。いつも正しさを求め融通がきかず、良き妻であろうとした…母はそういう風に育てられたからそうであろうとした」。それが当たり前で、何の疑いもなかった母。時代が変わり、今になって自分の生き方が全否定されてしまいます。教育の与える影響の大きさを皮肉に感じます。

 知的障がい者の存在を否定したり、関わりたくないと思ったりしてしまうのはなぜかー。そんな問いについて考える章では、「いろんな人が当たり前に共に暮らす」ことができるようになるには、子どもの時からどんな子も同じ「場」に居ることが必要だと感じました。やはり子どもの教育は、排除しない、共に関わり合っていってこそですね。

 他にもわかりやすく共感できるエピソードがたくさん。「ほんのちょっと」の当事者目線を持って周りと関わるきっかけになるのではないでしょうか。

多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。
著:Jam

 嫌なことがあって、モヤモヤした気持ちをいつまで引きずってしまうことはありませんか?でも、原因をつくった相手は意外と「何も気にしていない」のかも知れません。
 著者は、友人から「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」と言われ、ハッと気が付いたそうです。そんな、日常で起こる人間関係の悩みを描いたマンガが、ツイッターで累計50万回以上リツイートされるほど話題に。マンガを描き始めたころは、身近な人に「私はこれで楽になったよ」と教えてあげるつもりでいたそうですが、反響の多さに驚いたそうです。

 SNS、仕事、人間関係などの悩みからココロを守る「裏技的」なコツが、親しみやすい猫のイラストのマンガと文章でつづられています。SNSなどの発達によって「つながり過剰」とも言える現在。人との付き合いで「ちょっと疲れたなあ」と思った時にパラパラとめくってみると、「こんな考えも、あったのか!」と気分が軽くなるかもしれません。

拝啓、アスペルガー先生
著:奥田 健次

 この本を手に取った理由は、自分自身が自閉症の傾向を持っていて、共感が得られて読みやすそうだと思ったからです。 臨床心理士の著者が、自ら支援を行った子どもや家族のエピソードをつづっています。前書きにもありますが、この本はハウツー本ではありません。

 著者の、20年以上の経験で培ったカウンセリングとその成果は、多くの教師や親、医師から驚かれるものばかり。学校や幼稚園に行けない、行きたくない子どもの心情や、それに対する親の接し方はとても合理的。当事者の自分も、確かにその通りだと思える内容でした。 精神障がいを持つ子どもの親や、支援学校、教室などで働く方などにはぜひ読んでもらいたいです。

 アスペルガー症候群や自閉症スペクトラムなどの精神障がいを持つ子どもも、たった一つの個性を持った素晴らしい命ー。そう実感するとともに、当事者としては「こんなに理解のある大人もいるのか」と感慨深い気持ちになりました。

 数々のエピソードには、子どもとの関わり方の基礎が詰まっています。子育て中の方なら、子どもの障がいの有無にかかわらず、きっと何かを得られるはずです。

地図とデータで見る女性の世界ハンドブック
編:イサベル・アタネ

 男女間の不平等は測定不能でしょうか?
 世界中の男女間の不平等の実態と女性の諸問題について120点以上の地図と図表を使いそれに応えています。調査テーマも多岐にわたり、行政機関資料、アンケート調査による統計、司法データなど客観的データを基に、それぞれのテーマを世界中の女性研究者が解説しています。

 例えば、「世界中で恒常的に飢えに苦しんでいる人々の60%は女性」で、さらに「8億ほどの読み書きのできない人々の3分の2が女性である」というリアル。しかし、「研究によって女子が小学校へ1年多く通うごとに、将来の収入が10から20%高くなる」と提言しています。

 測定不能と思われてきた男女の様々な不平等を数値化・可視化することで、男女間の不平等が「自然の理」という論理で正当化されることを否定し、女性たちの不平等との闘いが世界的進歩を実現してきたことを示しています。日本国内に限定せず広い視野で女性問題を考える時、参考になるでしょう。

あたりまえを疑え。 自己実現できる働き方のヒント
著:澤 円

 当たり前という思い込み。これが、なりたい自分になれない理由のひとつだとしたら…。
 マイクロソフト執行役員の著者が、私たちの身の回りにある「当たり前」について、時間や仕事、ルール、コミュニケーションといった多方面から分析。自己実現に向けてアドバイスします。 ルールや価値観を疑うことで、行動が変わります。それにより新たな成果が生まれ、自分らしい生き方ができると呼び掛けています。

 「自分にとっての正解を探す」「外のものさしを持つ」「アウトプット、発信する」。自分らしく生きていくためのノウハウが紹介されています。 自分が作った当たり前というマインドセット(思考の癖)から解かれ、新しいものの見方に気づくことができます。

 ビジネスパーソンだけでなく、「自分の人生を生きていきたい」と考える人はぜひ手に取ってください。withコロナ時代を生きる私たちにとって必要な、未来志向マインドがたくさん詰まっています。

人は、人を浴びて人になる
著:夏苅 郁子

 人が回復するとはどういうことかー。
 精神科医でありながら、幼少期の体験から過去に心の病になった著者。統合失調症の母親がいるという家族の立場でもありました。自身の体験からその答えを探るエッセイです。

 著者は、人生を一本の道に例えます。「小さな横道での出会いが、頑なだった価値観を変え、心の幸せを感じられるようになった」といいます。「横道」での12のエピソードは、多方面から考えること、自分や他者を認めることについて教えてくれます。

 「いくつであっても人は変われる」。その言葉は、実体験であるがゆえに心に響きます。 心に抱えていた暗い闇や苦い経験、築いた家庭、夫婦の関係。その全てで、きっかけは何であれ、まず踏み出したことが回復の第一歩となったそうです。
 必要なものは薬ではなく人からの癒し。「人の力」に共感できる一冊です。

未来を変える目標 SDGsアイデアブック
編著:一般社団法人Think the Earth

 「みんなが幸せな社会」。 あなたは、どんな社会だと思いますか? 戦争のない社会、飢餓や貧困のない社会、豊かな自然が守られる社会…。

 最近、よく耳にする「SDGs(持続可能な開発目標)」とは、「世界のあらゆる問題を解決するための17個の目標」です。 オンラインで世界の1千万人もの人々に、どんな社会を実現したいか、どう実現するのかについて調査。政府や国連だけでなく、世界中の女性、若者、企業、研究者などさまざまな立場の人が3年をかけて協議し、宣言されました。

 学生や、企業や教育関係など、SDGsを学びたい方々に手に取られる本著では、世界のユニークな団体で実践されている事例を、ワクワクする写真やわかりやすいイラストで紹介しています。

 都市から離れたアフリカの農村に、医療物資を素早く届けるドローン。 災害時にリアルタイムで、市民が被害状況をネット上の地図に描き加え、臨機応変な救助や支援を可能とするクライシスマッピングの活動。 アッと驚くアイディアが満載で、パラパラめくるだけでも楽しい一冊です。

 SDGsを読み取る視点として、各分野の専門家のコラムも掲載されています。巻頭には、SDGsの17の目標に関するワークシートが付いており、入門書としてのみならず、ワークショップやディスカッションの導入に活用するなど、さまざまな使い方が可能です。

「取組みの入り口が17個ある。どれか一つ赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケアの扉を開ければいろいろな目標がついてくる」。 一つの小さなアクションが、持続可能な豊かな社会の実現に繋がるかもしれません。 SDGsをもっと知りたい!という方は、ぜひ、この本を読んでみてください。世界を変える主人公はあなたです。

赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア
著:白川 美也子
 トラウマとは何か?どう対処すればいいのか?赤ずきんとオオカミの物語仕立てで、災害、虐待、DV、性犯罪といったトラウマとそのケアについて、精神科医、臨床心理士である著者がわかりやすく解説している本です。

 心に傷を負った体験は、思い出されないように、その時の感情や記憶を脳の中にそのまま冷凍保存され記憶されます。その記憶が、フラッシュバックによって一気に解凍処理されることで、当時の感情も鮮明に蘇ってしまうのです。過去を変えることはできませんが、回復するには「過去の傷に影響を受けている今」を変える必要があります。トラウマを受けた人が、自分自身を理解できるように助けることは最大のエンパワメントであり、これにより自己尊重感を取り戻すことができます。

 トラウマの受傷は、生きていれば誰にでも起こり得ることです。トラウマから回復することで今を生きていることに感謝できます。自分を愛する力を取り戻し、幸せな人生を誰もが味わってもらいたいです。当事者、その家族、トラウマ支援に関わる人にぜひ、読んでもらいたい本です。

 

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